世界各国のデザインプロダクトをデザイナーから直接購入できる、「Pinkoi(ピンコイ)」がミッフィーとのコラボイベントを行いました。2020年11月12日から、オンライン特設サイトでの販売(12月25日まで)と併せ、11月19日〜12月6日には都内でポップアップストアも展開。オープン当日は、お店の外まで長蛇の待ち行列ができたという人気の理由とストアの概要について、日本支社ピンコイ株式会社のPR安部めぐみ氏と、ポップアップストア企画担当のルル・チェン氏に聞きました。
――まず、「Pinkoi」の概要から教えてください。
安部氏: 2011年8月に台湾で創業したPinkoiは、世界各国のデザイナーやブランドから直接商品を購入できるグローバル通販サイトです。掲載されている商品数は、160万点以上(出店ショップ数は、1万8,000店以上)。20〜40代を中心に350万人以上の会員を抱え、これまでに1,050万点以上の販売実績があります。日本には2014年に進出し、2015年に支社を構えました。
特長は、デザイナーが自ら、商品を世界中のお客様に販売できるところにあります。世界93か国に発送可能なので、海外から閲覧しても商品内容が分かるように、サイト上には英語、日本語、中国語などに対応した「自動翻訳」ボタンをつけています。
越境ECということもあり、海外のお客様への販売を不安に思うデザイナーも少なくありません。日本のように拠点がある地域では、どのようなページ設定をすると海外の人に理解していただきやすいのか、各地のトレンドや検索キーワードなど、グローバル展開しているからこそ提供できる情報に加え、効果的な撮影方法など、現地スタッフがデザイナーのネット販売に役立つ情報のシェアも行っています。
安部氏:商品や画像のオリジナリティやデザイン性、生産体制などを審査しています。審査を通過するデザイナーは3割程度なので基準は厳しいですが、その分クオリティが担保された素晴らしいショップが集まっています。
安部氏:スタッフが公式Twitterで紹介したところ、7.5万いいね!がついたのが、中国発の「カニ缶ポシェット ポーチ」です。カニ缶がそのままポシェット ポーチになったインパクトのあるデザインが受けました。このポーチのように、日本ではPinkoi以外では手に入らないユニークな商品がヒットすることが多いですね。国別では台湾が人気で、特に2020年は海外に行けなかったこともあり、コスメを中心に台湾発の商品の売れ行きが良かったです。
安部氏:2020年は、ミッフィー誕生65周年になります。その記念すべき年に、ミッフィーファンの多い日本で、「TRAVEL with miffy」をテーマにコラボ企画を行うことになりました。まずPinkoiの通販サイト上で特設サイトを公開したのと、その後、東京・渋谷でポップアップストアを展開しました。
実はミッフィーとのコラボ企画は、今回が2回目になります。初回は、台湾、香港、マカオのオンラインストアでの展開と、香港ではポップアップストアも開催しました。今回のポップアップストア企画も今後、台湾と香港でも行う予定です。
安部氏:Pinkoiに出店しているショップの中から総勢48組の、台湾、香港、タイ、中国、日本のデザイナーがコラボアイテム約180点を制作しました。商品はスマートフォンケースやタンブラー、マスク、ファッション雑貨など多岐にわたっています。
ルル氏:渋谷にある「hotel koe tokyo」の2階のポップアップスペースで展開したのですが、初日はお店の外まで行列ができるほど多くのお客様に来ていただきました。コロナの影響を心配していたのですが、お客様に喜んでいただけて良かったです。
大人の方を意識したデザインアイテムも多かったので、若い世代の方だけでなく、小さい頃からミッフィーに慣れ親しんだ30代後半以上の方にも多く来場いただきました。商品が完売する前にと、先にオンラインストアで購入されてから来場いただいた方もいれば、オンラインで目星をつけてからポップアップストアで実際に商品を手に取り、購入された方もいました。また、ポップアップストアではオンライン限定商品も展示していたので、その場でQRコードを読み込んでPinkoiのサイトから購入される方もいました。オンラインとオフラインとで連携したO2O(Online to Offline)施策の効果も大きかったです。
ルル氏:「hotel koe tokyo」は1階にカフェを併設するなど、「ライフスタイルを豊に彩りたい」というコンセプトに共感しました。公園通りに面したホテルなので、ポップアップストアでは窓際にミッフィーの装飾を施し、知らずに近くを通った方でも、「ミッフィーのポップアップストア?」と気づいてもらえたのも良かったです。
1階のカフェともコラボし、その場でPinkoiの会員になってもらえたらノベルティのミッフィーステッカーを配布するなどの施策も展開しました。
ルル氏:他社サービスも含めていろいろ探していたのですが、「SHOPCOUNTER」はポップアップストアの会場検索がしやすくて良かったです。初めは「hotel koe tokyo」は掲載されていなかったのですが、カウンターワークスに問い合わせたところ、「掲載前ですが条件に合うスペースがあります」とご紹介いただき、素晴らしい場所に出会えました。イベント準備期間から本番までバタバタしていましたが、担当の方にスペース側とのコミュニケーションもサポートいただくなど、電話で親身に対応いただけたのもありがたかったです。
ルル氏:Pinkoiはオンラインサービスなので、お客様とお会いでき、商品を実際に手に取っていただくことのできるオフラインのイベントも大切にしています。2020年はコロナにより計画していたものはほとんど中止になってしまいましたが、このミッフィーとのコラボ企画は実現できてよかったです。日本でもまたいろいろなイベントを企画していけたらと思っています。
安部氏:Pinkoiは、創業者のピーター・イェンがシリコンバレーでエンジニアとして勤務していた頃、現地のハンドメイドマーケットに足を運び、そこでデザイナーの情熱に感銘を受けて立ち上げたサービスです。 今はコロナ禍でいろいろな影響が出ているので、私たちは少しでも日本人デザイナーの力になれればと、“Pinkoi Stays with You”と題し、2020年4月1日から3か月間、日本国内の取引において販売時の成約手数料を下げる取り組みを行いました。その結果、支援施策実施前の3か月間と比較し、オーダー数163%増を記録し大きな反響をいただいたので12月いっぱいこの支援策を延長しました。これからもデザイナーをリスペクトし、国際的に活躍できるようあらゆる形でサポートしていきたいと思っています。
Illustrations Dick Bruna ©︎copyright Mercis bv,1953-2021 www.miffy.com
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