最近注目を集めるポップアップストアは、コストを抑えて販売の場を持てるという点以外にも、出店による様々なメリットがあります。そこでこの記事では、ポップアップストア開催の3つのメリットと、海外先行事例から学ぶポップアップストア活用のポイントについて解説します。
新しい出店形態として注目を集めるポップアップストアは、コストを抑えて販売の場を持てるというだけではなく、出店による様々なメリットがあります。
ポップアップストアは、緊急事態宣言による時短要請や営業ができない中での賃料の発生などの不安を解消した上で柔軟に出店できる販売形態として話題になりつつあります。
また、SHOPCOUNTERでは、路面店や貸し店舗を探すだけではなく、都内や地方の有名商業施設への出店場所も探せるため、ブランドのイメージ的に特定のエリアや商業施設でしか出店はできないといったご要望にも対応することが可能です。
また、医療関連の事業や物販なども、今までの来院してもらうのを待つような形式からレンタルスペースやイベントスペースを借り、街中に出て行き、生活者がいる場所へPCR検査のような医療サービスやマスク、消毒液(アルコール)、検査キッドの販売などを短期的に空き区画で実施するようなケースが増えてきております。
この記事では、ポップアップストアを開催することによる3つのメリットと、海外先行事例から学ぶポップアップストア活用のポイントをご紹介します。
(参考:「ポップアップストア」とは?)
1つ目のメリットは、リアルの場で商品に触れてもらうことで、オンラインでの購入時の障壁となるサイズや素材などの商品への不安をなくすことができ、オンライン購入につなげやすくなるという点です。
高価格帯の商品であればあるほど、アパレルであればサイズのフィット感はもちろん、雑貨であっても素材や色味など、実物を目で見て実際に触った上で購入したいというお客様は多いものです。
実物を見て触ることでサイズや素材への不安が払拭されれば、オンラインで購入するハードルを大きく下げることができます。そのため、その場で販売につながらなかったとしても、後日オンラインで購入してもらえる可能性が高まります。
たとえば、ネット通販のワイシャツ専門店 ozieのポップアップストア事例でも、これまでEコマースを通した買い物経験がないお客様が、ポップアップストアへの来店をきっかけに、オンラインで購入するお客様が増加傾向にあるとのことでした。これは、商品の実物を触れたことをきっかけとして、オンラインでの購入ハードルが下がった一例といえます。
また、ポップアップストアでは、PCやスマートフォンの画面上では表現できない商品の軽さや光沢感、着心地といった商品の魅力を伝えられるというメリットもあります。画面上では伝えきることのできない商品の魅力をお客様に体感いただくことで、価格への納得感を醸成することができ、高価格商品の購入にも繋げることができます。
オーダーメイドシャツブランド KEIのポップアップギャラリーの事例では、ポップアップストアを通じて商品の良さを体感したお客様から入ったオンラインでの注文は、通常の価格帯の商品よりも高価格帯の商品の方が多かったそうです。このように、ポップアップストアを通した直接的な商品体験は、価格への納得感へと繋がり、結果としてお客様の購買単価をあげる効果をあげることもできます。
その上、オンラインでの購入はリアル店舗での購入と比べて時間や場所の制約が少ないため、お客様にとっても買い物しやすいというメリットがあり、リピート購入にもつながりやすい傾向があります。
このようなオンラインでの販売のメリットを生かすためには、オンラインで購入しやすいように、ポップアップストアからEコマースサイトやSNSへ誘導するための動線づくりも重要です。お客様にオンラインでの販売も行なっていることを伝えることはもちろんのこと、ショップカードやサンクスレターに、Eコマースサイトやお店のSNSのURLを記載したりするのも良いでしょう。
ポップアップストアを企画する際は、その場での販売のことだけを考えるのではなく、ポップアップストア来店後のオンライン購入も意識した企画設計を行うことで、ポップアップストア開催の効果をより高めることができます。
商業施設などへのポップアップストアの出店の流れに関してはこちら
2つ目のメリットは、ポップアップストアでのスタッフとのコミュニケーションを通して、顧客と長く続く関係を構築できる点です。オンラインでは実現不可能な直接のお客様とのコミュニケーションは、お客様との関係構築には不可欠なものです。
お客様とコミュニケーションをとる際は、販売のための「接客」ではなく、あくまでお客様に「有益な情報を届ける」という姿勢が重要です。なぜなら、販売のための接客ではお客様との信頼関係を築くことができず、「このお店でまた買い物をしたい」と感じてもらうことはできないからです。お客様に有益な情報を発信することによってはじめてお客様との信頼関係を構築することができ、結果としてLTV(顧客生涯価値)を高めることができます。
例えば、体験を重視した店づくりを行うファミリア代官山店ででは、販売だけでなく、出産前の夫婦を対象にした「出産前の準備リスト」や「セミナー開催」といった情報発信を行っています。ここでは商品情報だけではなく、利用シーンにフォーカスした有益な情報を発信することでお客様との信頼関係を構築し、出産前に来店いただいたお客さんに対して出産後も長く続く関係を築くことを可能としています。
また、体験型DIYショップ tukuribaのように、ワークショップやセミナーを通して商品の魅力を伝えることで、顧客との関係を強化していくという方法もあります。
商品の「販売」ではなく、「体験する」「学ぶ」といったお客様とのコミュニケーションをポップアップストアの中心に据えることで、オンラインでは作れないお客様との密な関係を築くことができます。それがお客様との関係を強化していくことに繋がり、結果として将来の売上にも繋がっていきます。
度重なる緊急事態宣言による、時短営業や商業施設の休業などで当初予定していた販売日数や時間を確保することも難しい状況のブランドは多いことだと思います。
それでも、賃料といったものは定額で発生していくため、どのように商品を少しでも多くのお客様の目に触れさせるかに頭を悩ましている店舗スタッフや責任者の方もいることでしょう。
そのような悩みを持っている方におすすめなのが、ポップアップストアです。ポップアップストアなら、アプローチしたいターゲット層の往来が多いエリアを決めた上で出店先を探すことが可能で最短1日からの出店も可能なため、今までとは違ったエリアへのテストマーケも可能です。
また、平日はオフィス街、休日は都市部など曜日によって変わる人々の往来の変化にも合わせていけるため、まさに常設店で店舗を構えることに制約が増えてきたコロナ禍に適した新たな小売のあり方の1つとなることでしょう。
3つ目のメリットは、ポップアップストアの開催がブランドの認知拡大につながる点です。
ポップアップストアの開催のニュースは、アパレル系のメディアやライフスタイル系のメディアなどで取り上げられやすく、来店されたお客様以外にもブランドを認知してもらうきっかけになります。
なお、ブランドの認知を広げるためにも、ポップアップストア出店の際は事前にプレスリリースの配信を行うようにしましょう。またプレスリリース作成の際は、メディアに取り上げられやすい文面を心がけ、より多くの人にブランドのニュースを届けられるようにしましょう。
また、お客様のSNS投稿の拡散によるブランドの認知拡大にも期待できます。来店されたお客様がSNSに投稿したくなる仕掛けづくりをうまく行うことができれば、お客様をの投稿を起点としてブランドの認知を自然に広げていくことができます。
たとえばLOVEGREENのポップアップイベント事例では、被り物やフォトプロップスなどの写真を撮りたくなるアイテムを用意することで、お客様がSNSに投稿したくなるきっかけをうまく作り出していました。その結果としてお客様が自身のSNSに投稿し、それがシェアされ、SNSを通して今回のポップアップイベントだけでなく、ブランド自体の認知拡大へと繋がっていきました。
このように、ポップアップストアの開催はさまざまなメディアに取り上げられたり、SNSでの拡散が期待できたりと、ブランドの認知拡大という大きなメリットを持っています。
日本以上にポップアップストアが盛んな欧米諸国では、ポップアップストアのメリットはどのように捉えられているのでしょうか。
今回はthe guardian紙の記事「Top tips on starting up a pop-up shop」から、ポップアップストアに関わる2社のCEOのコメントをご紹介します。
ポップアップストア向けスペースの予約サービス「Storefront」のCEOであるTristan Pollockは、ポップアップストア開催のメリットをECでの売上を増やす効果があると説明しています。
「ポップアップストアは、リアル店舗での経験を通して、ECで購入してくれる顧客との関係を強くしてくれる効果がある。
すでに規模の大小を問わず、何千ものお店やブランドが、ECでの売り上げ効果を高めるためにポップアップストアを利用しているよ。」
1つ目のメリットでもご紹介した通り、リアルの売場で実物の商品を見ることで、商品への信頼が高まり、オンラインでのリピート購入につながりやすいというメリットがあります。
また、ポップアップストアを通して、スタッフから商品に関する専門的なアドバイスをもらったり、使い方のレクチャーを受けることで、ブランドへの愛着をもってもらいやすいという効果もあります。
ポップアップストアの開催を重ねた結果、常設店舗をもつまでに成長したファッションブランド「teastained Lil」を運営するAlexandra Heywoodは、実感をもってポップアップストアのメリットについて説明します。
「私たちはこれまで、ポップアップストアはECへの送客効果や興味をもってもらうきっかけだと思っていましたが、実際には販売の後押しとしての効果が大きいと感じています。
対面での接客こそが、お客様にとっても私たち自身にとっても、より楽しい(さらに収益性も高い)方法だと私たちは確信しています。」
二人のコメントに共通しているのは、ポップアップストアを「顧客との関係を深める場」として捉えているということです。
先にオンライン上でファンを醸成し、購入前の確認の場としてポップアップストアを開催するという流れが、欧米では一般的になりつつあるようです。
ポップアップストアは、その場での販売だけではなく、継続的な関係を築くきっかけとしても活用されています。
SHOPCOUNTERをご利用いただいたブランドの中から、ポップアップストアを行う目的や狙い、実際に出店した際の実績、SHOPCOUNTERを使ってみた際のご意見など様々な観点からお話を伺いました。
今後ポップアップストアを実施する予定のあるブランドの方はもちろん、現在実施検討段階で実際にポップアップストアを行ったブランドのお話を知りたい方、ポップアップストアとはどのような効果が見込めるのか情報を集めている方などは是非バナーをクリックして、ポップアップストアの出店をご検討ください。
・開催事例インタビューブランド紹介
・株式会社SEAM/和もん
<和ピクルス><食物販><場所: OOTEMORI>
・ライクスタッフィング株式会社
<代理店業><プロモーション><フルルガーデン八千代>
・うなぎいも協同組合/うなぎいも
<キャラクター商品/菓子類の販売><物販><戸越銀座商店街>
・株式会社yutori/9090
<アパレル製品の販売><物販><HOTELSHE,OSAKA / 代官山イベントスペース>
・株式会社MASAI Medical/MedQuick
<自宅でできる抗原検査サービス><プロモーション><新宿、渋谷の路面店>
・inkbox ink Japan合同会社/inkbox
<消えるタトゥーシール><物販><EST大阪梅田>
・株式会社newn/COHINA
<小柄な女性向けアパレル><物販><代官山イベントスペース>
・株式会社My shwty/My shawty
<アパレル製品の販売><物販><有楽町マルイ>
・LALUCE
<革製品の販売><物販><東急プラザ銀座>
・Koala Sleep Japan/コアラマットレス
<マットレス製品の販売><体験会><表参道イベントスペース>
「SHOPCOUNTER」は、ポップアップストア・催事・展示会などの出店/出展場所の予約がオンライン上でできるプラットフォームです。ショッピングモール、スーパーマーケット、百貨店、商店街、駅ナカ、オフィスビル、撮影スタジオ、展示会場など様々な商業スペースの検索・予約が可能です。
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2015年10月2日
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