欧米で注目の小売トレンド “ファッショントラック”とは?
ポップアップストア先進国である欧米諸国で最近注目が高まっているファッショントラックは、出店コストを抑えつつ実店舗をもてることで人気を集めています。この記事ではそんな新しい小売トレンド・ファッショントラックについて解説します。

ポップアップストア先進国である欧米諸国で最近注目が高まっているのが ファッショントラック 。
アメリカでは2010年ごろからじわじわと増え続け、2014年にはアメリカ全土で500店舗にまで急増しています。
これはNYだけでも1万件を超すといわれるフードトラックから派生したもので、フードトラックがオフィス街のランチタイムにサンドイッチやタコスを販売するように洋服やアクセサリーなどのファッションアイテムを所狭しと並べたファッショントラックがブルックリンなどの繁華街に現れます。
ファッショントラックは“mobile retail boutique”とも呼ばれ、新しい小売トレンドとして人気を集めています。
アメリカではお気に入りのファッショントラックが今後いつどこに出店するかというスケジュールを見ることができる“Find a Fashion Truck”もあり、消費者の間にもファッショントラックが浸透し始めていることがわかります。
今回はそんなファッショントラックについて解説します。
目次
従来の1/10!?出店コストが低いファッショントラック
▲Jessie Goldenbergさんが運営するファッショントラック“Nomad”。出典:BUSINESS INSIDER
ファッショントラックの人気の秘訣はその出店コストの低さ。
“Nomad”というファッショントラックのオーナーJessie Goldenbergさんは大学卒業後に自分のお店をもつことを目標にしていました。
しかし大学を卒業したての彼女に何十万ドルものお金を融資してもらえるはずもなく悩んでいたところ、たまたまテレビで見かけたファッショントラックのアイデアを見かけ、22歳の時にファッショントラックをオープンすることを決めました。
初期費用はトラックの購入や改装費用も含め70,000ドル(約800万円)。
トラックはアメリカの有名掲示板Craigslistで5,000ドル(約60万円)で購入したものを友人や家族に手伝ってもらいリモデルしました。
ファッショントラック開始後はガス代やメンテナンス代、駐車場代など1,000ドル(約12万円)ほどのランニングコストがかかっていましたが、開始して1年も経たないうちに黒字化できたといいます。
通常ブルックリンなどの繁華街に出店しようとすると場所を借りるだけで初期費用が100,000~150,000ドル(約1200万円〜1800万円)、毎月の家賃として 10,000~12,000ドル(約120万円〜150万円)ほどかかります。
この金額にさらに什器を購入費や電気代などの光熱費がかかるため、一般の個人が突然出店するのはほぼ不可能です。
しかしファッショントラックならば初期費用も毎月のランニングコストも大幅に抑えることができるため黒字化しやすく、個人でも初期費用を融資してもらえる可能性が広がります。
Jessieさんはファッショントラック開始当初はNYやLAの小さなデザイナーの商品を中心に販売していましたが、1年経つ頃には30〜50のアパレルデザイナー、8~15のアクセサリーデザイナーから商品を仕入れるまでに成長。
まずは小さな規模で成功を繰り返して信頼を積み重ねていったことがわかります。
彼女はファッショントラックのプロモーションとしてFacebookやTwitter、Instagramも巧みに利用していました。
SNSで発信することで商品やブランドに興味を持ってもらい、ファッショントラックで商品を実際に手にとって見てもらうという新しい小売の仕組みを取り入れて成功した一例と言えます。
ファッショントラックのこれから
▲AMRAの創立者であるStaceyとJeanine。
出典:BUSINESS INSIDER
ファッショントラックの先駆けと言われる”Le Fashion Truck”創業者のStaceyとJeanineが設立したAMRA(American Mobile Retail Association、米移動式小売店協会)に登録されている事業者は2014年時点で103店舗にものぼり、今後もファッショントラックをはじめとする移動式店舗の数は増えていくことが予想されます。
またファッショントラックは約2年ほどで、オーナーが新規事業をはじめるか常設店舗を構えるようになるといいます。
先ほどご紹介したJessieが運営する”Nomad”はまさに後者で、好調なファッショントラックを続けつつも常設店舗を構えたいと考えています。
欧米ではこのようにファッショントラック発の有名店や有名ブランドが育つ日も近いのではないでしょうか。
日本でも近年のハンドメイドブームと相まって、ポップアップストアをはじめとする初期投資が低い出店方法が注目を集めています。
まずは小さなスペースで1日限定、週末限定のショップを開いてみてはいかがでしょうか。
おすすめのポップアップスーペース
SHOPCOUNTERでは1日だけ、週末だけ小規模なポップアップストアを開くスペースもご紹介しています。
いきなり出店するのは不安な方も、1日1万円程度のスペースからポップアップストアの出店をはじめてみてはいかがでしょうか。
ここでは小規模なポップアップストア出店におすすめのスペース3つをご紹介します。
文化が胎動するガレージ内ブース@清澄白河
10,000円/日〜
清澄白河にある車庫をセルフリノベーションしたスペース。
カフェが併設されており、こだわりのランチとコーヒーと共に企画展示を楽しんでいただけます。
戦前からある長屋のアトリエ@蔵前
11,000円/日〜
ハンドメイド資材などが多く集まる浅草橋エリアにあるギャラリースペース。
戦前からある長屋を改装したギャラリー兼工房はハンドメイド商品を扱う方におすすめです。
詳しく見る
【参考】
Why Fashion Trucks Are Popping Up All Over America
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